かいせん
「疥癬」
クラモト皮膚科 倉本昌明医師 
 
 終戦後皮膚病患者の三分の一が疥癬であったと言われる程日本人を悩ましたものです。DDTやBHCの外用で患者数が減少し、ほとんどみられなくなっていましたが、1974年頃から再び増加の傾向がみられ、海外旅行での不潔性交が原因と考えられ、これが一般家庭に拡がったようです。その後、老人病院や老人ホームで集団発生し兵庫県下でもかなりの患者数が報告されています。

 疥癬は疥癬虫(ヒゼンダニ)の感染でおこります。次の症状があった時は先ず疥癬を疑いましょう。皮膚の柔らかい部分、主として指間、下腹部、外陰部や関節の屈曲部に小さい紅斑や結節がみられ、灰白色の浅いトンネルができます。さらにその痒みが異常に強く、夜間そのために睡眠不足になります。一般に皮膚病にはステロイドがよく使用されますがこれはまったく無効でむしろ増悪します。また周囲に同じような症状の人がいたら疥癬を疑って下さい。皮膚科専門医でも誤診しやすいと言われ、特にアトピー性皮膚炎との併発は治療上注意が必要です。

 診断はやはり顕微鏡下で疥癬虫をみつけることです。指間、陰嚢は比較的虫体の検出が容易です。疑わしいときははやめに専門医で検査をうけて下さい。

 治療はBHC軟膏が有効ですが中毒が問題となり、現在我が国で使われていません。一般には安息香酸ベンジル・クロタミトン軟膏が使用されています。また硫黄浴も有効です。衣類、寝具などは日に干すこと。下着やシーツはよく洗濯して下さい。
BACK

 Copyright(C)2004 Sumoto City Medical Association All Rights Reserved.