ゴールデンウィークに自然保護団体の方、7名が風ランの着生調査のため山に入り、4名が発疹、発熱等を訴え、1名が重症化、1名死亡の報告がありました。7名の血清学的診断の結果2名について日本紅斑熱であることが確定し感染症法により届出されました。
日本紅斑熱はツツガムシ病に比して重症化しやすく、報告されている死亡例は入院後数時間で最悪の事態になっております。徳島県内では、日本紅斑熱、ツツガムシ病共に発生していますので日常の診療に十分ご注意お願い致します。 |
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− 日本紅斑熱ガイドライン − |
1)定義 |
:日本紅斑熱はマダニにより媒介される病原体Rickettsia japonicaの感染による急性熱性疾患である。 |
2)病因 |
:人は病原リケッチアを保有するマダニに刺咬されることにより感染する。病原リケッチアはマダニの体内で継卵的に受け継がれている。人から人へは感染しない。 |
3)疫学 |
発生地分布:千葉、埼玉などの関東地方から四国、九州などの西日本
日本紅斑熱の発生時期(徳島県):4月〜11月(9月,10月に多い)
潜伏期:マダニ刺咬後2〜10日 |
4)主要症状 |
高熱、紅斑、刺し口 |
5)治療 |
リケッチア症の治療はTC系抗生剤の投与が第1選択になる。
(例 ミノサイクリン300mg/日 を補液に入れる)
日本紅斑熱の重症例ではTC+ニューキノロンの併用療法が有効である。
(例、ミノサイクリン300mg/日 に加えて CPFX 300mg/日) |
注意事項 |
1) |
初期には、高熱、発疹などから風疹、麻疹、薬疹などと鑑別が困難です。
患者さんには必ず鑑別疾患として考慮していることを伝えるか、TCの投与を開始して下さい。 |
2) |
特異的血清学的診断は県医師会にご相談下さい。 |
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兵庫県では、春先から夏・晩秋にかけて日本紅斑熱、
秋から春先にかけてツツガムシ病が発生しています。 |
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日本紅斑熱の発疹 (左)
マダニによる刺し口(上)
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★野山に入った後で2日〜2週間くらいの間に、
高い熱や発疹が出た時には、「野山に入った後で熱が」
と医師に伝えて下さい。
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★初期に治療すると良く効くクスリがありますが、
治療が遅れると危険な場合があります。
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★ダニに刺された時は、病原体が皮膚に残らないよう
医師に取り除いてもらいましょう。
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