治療のための薬で身体に害が出てくるのを副作用といいます。発疹がポツンと出たとか、ちょっと痒いなど軽いものから致命的なものまでいろいろあります。今回は、泌尿器科における日常の外来診療で見かける薬の副作用について説明します。
まず一番多いのは前立腺肥大症など、おしっこが出にくい人が感冒薬を服用して、さらに出にくくなり、時に尿が完全に止まってしまうことがあります。咳止め、鼻みずを抑える薬が排尿を止めてしまい、また便秘にもなります。これから冬の寒い時期、年配の人、特に男性は注意してください。そしてアルコールが入るとなおさら良くありません。『かぜ』の特効薬はありません。いわゆる感冒薬にご注意ください。その他、精神安定剤、睡眠薬が原因の排尿障害も多く見かけます。睡眠薬は本当に必要なときに服用し、だらだらと長期間の使用は避けたいものです。
次いで気をつけたいのは解熱鎮痛剤が原因の出血傾向、その結果精液に血が混じることがあります。皆さん癌など心配して来院されますが、ほんの身近に原因があることがあります。また、ある種の抗アレルギー剤で血尿あるいは難治性の出血性膀胱炎を起こすことがあります。今回泌尿器科領域における副作用のごく一部を紹介しましたが、では副作用を防止するためにはどうすればいいでしょうか。まず自身で服用している薬の品名を記録しておきましょう。そして、常に自分の身体の調子をよく観察し、ほんの些細な身体に現れる反応に注意していただき、疑問点があれば主治医や薬剤師にお気軽に相談してください。インターネットでも詳しい情報が得られます。 |