ばね指は、いわゆる手指に起こる腱鞘炎の一つです。この腱鞘炎は、指を動かす腱とそれを包んでいる腱鞘がこすれて、腱と腱鞘が腫れあがり、腱の通り道が狭くなって、指を動かす際に痛みをきたす状態です。症状は、指のつけ根や指先の痛みの他、指の曲げ伸ばしの際に指が引っかかったように止まったりします。さらに、悪化すると腱が滑らなくなり、指が曲がったまま動かなくなることもあります。指の使いすぎや慢性関節リウマチ、糖尿病などの病気との関連性を指摘されていますが、その原因がはっきりしないものもあります。
また、中年の婦人や手作業をする人にしばしば認められます。女性に圧倒的に多く、男性は比較的少ないです。一般的に親指に最も多く、次いで中指と薬指によくみられます。
治療は手を使い過ぎないようにすることが原則となります。さらに痛みや炎症をとめる薬を飲んだり、塗り薬や湿布を使います。また、腱鞘内への炎症止めの注射を打ちます。それでも治らない場合や症状が強い場合は、手術をします。手術は皮膚を一から二センチ切り、腱鞘を切り離し、腱と腱鞘がこすりあわないようにします。手術時間は約十五から二十分程かかります。 |