心臓はその外面を取り囲むように走る3本の冠動脈と、その枝で栄養されています。
ある冠動脈が詰まったまま一定以上時間がたつと、その部分の心筋は死んで動かなくなり、心筋梗塞となってしまいます。動脈硬化が起こると動脈内にプラークと呼ばれる"ブヨブヨ"したものができます。プラークは不安定な状態になると、あるとき破裂し、その傷口に血栓(血のかたまり)がついて、血栓が大きくなると血管が詰まってしまいます。この不安定プラークの破裂が急性心筋梗塞の最も多い原因といわれています。
心筋梗塞を起こしかけても、最近ではすぐにカテーテルを使った緊急治療を受けると、なかにはほとんど心筋梗塞を起こさずに治療ができる場合もでてきました。カテーテルは細いしなやかな管で、先端についた風船を広げる力で、閉塞した冠動脈を押し広げて血流を再開させます。以前は風船で冠動脈を広げるだけでしたが、ステントと呼ばれる金属性の網口状のチューブを風船で広げて冠動脈に入れることができるようになり、より確実に冠動脈の血流を再開させることができるようになりました。また風船だけや、ステントを使用しても再狭窄といって、数ヶ月後には冠動脈が狭くなってしまうことも、再狭窄を抑える薬剤が溶出するステントが使用できるようになり、かなり防げるようになってきました。
冠動脈が閉塞しても、3時間以内に再開通すれば心筋梗塞を最小限に食い止めることができます。しかし6時間を過ぎると効果は薄れてしまいます。しかも冠動脈が閉塞すると、その直後から命にかかわる重症の不整脈が非常に起こりやすくなります。急に胸がしめつけられるような、圧迫されるような痛み、苦しみが起こり、すぐに治まらないときは、心筋梗塞を起こしかけている可能性があります。我慢したり、様子をみたりせず、すぐに救急車でカテーテル治療(PCI
経皮的冠動脈インターベンション)のできる病院(市内の場合は県立淡路病院)へ行ってください。
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